上達は一進一退〜トライ&エラー〜

身体を自分の思い通りに動かすことは簡単ではありません。
暗記と違って、たとえ言われたことを覚えていても、その場で先生の真似ができても、次の日にできるとは限らないのです。
真面目な方はよく”完璧にできるまで、何ヶ月でもお稽古したい”と言いますが、私は永遠に無理だと思っていました。
以前のブログでも、完璧にできるまでやらせる先生もいるが、みたいなお話をしていますが、
たとえその曲の踊りができるようになっても、その踊りの振り(要するに全く同じ振り付けの順番に動くということ)ができるようになるだけで、違う踊りの時には役に立たないことが多いのです。
…と言いつつ、
長時間かけて1曲のみを極める笑、みたいな指導をしたことはありませんでした。
最近とても熱心な方がいらして、それほどではありませんが、私としてはかなりゆっくり覚えるまで指導してみました。
ある程度は本人も納得するお稽古にしてあげたい気持ちもあるので、かなり丁寧に対応したわけですが、それでもとうとう笑、先日次の曲に進めたわけです。
すると、前の曲でかなりきれいに動けるようになったにも関わらず、新しい曲で同じ振りが出てきても戸惑う様子があって、ちょっと驚きでした。
動きはわかっているはずなのですが、曲が違うので同じという認識が持ちにくいのかも知れません。
やはり
“あ、この動きはやったことがある”
となるには、それなりの曲をこなす必要があるということです。
そして、馴染みのない新しい曲でも何とか頭の中から記憶を引っ張り出すという作業を繰り返すことで、少しずつ定着していくのだ、と実感しました。
前にやったことがある、何故できないか、前はどのように動いたか、ではこれと反対(対称)の動きはなど考えたり、動いてみたり。
そうした試行錯誤があって自分なりに理解することで、先生の指導が更に理解できることになるのです。
できないなどと失敗を恐れずにどんどん動いて、頭もですが身体が理解できるように頑張ってほしい、それが上達の喜びになると伝えたい。
一朝一夕ではできないですね。
この状況を楽しんでお稽古してほしい、と願っています。