今学べることに感謝する〜日舞講師の小話13〜

こんなこと、教える側の私が恩着せがましく言うことではないのですが。
私が日本舞踊の授業をしている学校は、クリエイター、表現者を目指す人たちが集まる高校です。
普通高校と同様、その道のプロが講師として教えに来ています。
クリエイター、ダンサー、振付師、演出家、役者…
現場で正に今活躍されている方々。
この人たちに直に教わることができるということはとても恵まれている、と思って間違いない。
勿論普通高校の先生方にしても、その教科を専門的に学ばれているわけで、そういう意味では同じことなんですが。
少なくとも表現系の学校を選んだ時点で自分のやりたいことがかなり明確になって入学しているはずなので、そう思うと教える側の私などはもっと貪欲に向かってきてほしい、と思うのです。
まぁ年齢的にもまだ若いこともありますし、大人になってからこれだけの学びをしようと思えば、時間もお金も膨大にかかり、しかも年齢的なこともあって、若い時のように思うような吸収ができないことも、恐らく実感としてわからないのだろうなとは思います。
しかし現役のクリエイター、表現者である講師陣は、単に利益のためだけに講師を引き受けているわけではありません。
大勢の生徒に教えるのはエネルギーもいるし、ぶっちゃけて言えば本業の方が儲かるはずで、それでも引き受けているのは、これまで業界でお世話になってこの体験、経験を若い人に伝える、恩返し(恩送り)をしたい、との思いがあるからです。
勿論仕事でもあるのですが、この志があるからこそ大変だと思いながらも一生懸命教えているのです。
この思いを生徒たちは理解しているのか、とたまに疑問に思ってしまう笑
簡単にサボったりしている様子を見ると、本当にもったいない、と思います。
かく言う私も学生時代、結構勿体ないことをしたなと思うので笑、恐らくあとから”もっとちゃんとやっておけばよかった”なんて思うのは仕方ないことなのかも知れません。
そんな中でも全てにおいて真摯に向き合い、学んでいる生徒は、恐らく本人が思う以上の大切なものをつかみ、成長していっていると見ていて思います。
本人が本気を出さないとどうしようもないですが、若い時の吸収力、成長の速さは大人になってからのそれとは比べものにならないほどです。
是非このことを重大なこととして受け止めて、本気で学んでほしいと切に願っています。