不登校について考える

娘が不登校になったことがあったからかも知れませんが、私の学生時代の頃より格段に不登校の話題が顕著になった印象があります。

この問題に関しては、親の立場から以前ブログに書きましたが(日舞ダンサー千翠珠煌の子育てー青春・不登校編)、ちょっと私なりに思うところを書いてみたい、とこの問題を取り上げました。

問題のひとつ目は家庭内の教育方針の変化

一般的にも時代が移り変わる中で、子育てが多様化しているのは誰しも感じているところだと思います。

少し前の世代の、自主性を尊重する子育て。

これが履き違えられてわがまま放題にしてしまったり、自由の意味を曲解してしまうことが多々見られた気がします。

この頃は個性を生かす、かなと…。

子供の適性を何とか見いだして、大成してくれたら…。

その為にも褒めて伸ばす。

でも最近全体的に子供達が、叱られ慣れてない、また失敗を過剰に恐れるあまり、すぐ投げ出してしまったりする傾向が見られる印象を受けます。

踊りのお稽古をしていて、叱ってるわけでもなく、直して、教えているだけなのに全否定されたの如くショックを受ける子、大失敗したの如く泣き出す子。

最近そんな体験を何回かするようになってきました。

学校や幼稚園の先生など教育の現場でも、この頃の子供の傾向として見受けられる、という話を耳にします。

叱られ慣れていない、というのは15年ほど前の私の娘世代にも感じていて、学校の先生が、(今どきの先生は暴力は振るいませんが)大声で叱った、などと言う場面に(自分が対象でなくても)、「うちの娘がショックを受けちゃって…」と嘆くお母さんの話を聞いたことがあります。

ただ、昔との変化で家庭内の良い変化として、”他と違ってよい”という価値観がより広まったことがあると思います。

私の頃は皆と合わせて、が強力でしたが、(もちろん社会に出ればいろいろありますが…)自分が肯定される分、自分のペースが尊重されるようになったと思うのです。

ここで出てくる2つ目、学校の体制

学校という集団生活はそこまで寛容ではありません。

これは先生の責任と言うより学校制度そのものが、今の価値観についていけていないと思うのです。

社会に出れば様々な人とコミュニケーションを取らなければならない、社会のルールもあり、自由だけでなく相手の迷惑もちゃんと考えなくてはなりません。

そういう意味での”しつけ”であったり、”コミュニケーション能力”であったりは、勉強以外に学べる貴重な場ではあると思いますが、なんにせよ教師一人当たりの担当人数が対応可能な範疇を越えています。

この大人数をまとめて面倒を見るとなれば、ひとりひとりのペースや個性、などとは言っていられない、と言うのが正直なところなのではないでしょうか。

しかし子供たちは家庭でゆったりと自分のペースでのびのび育ってきています。

急にそんなこと言われたって、と子供達も思うでしょう。

近年不登校児が増え続けているのは、こんなところが原因では、と考えています。

学校の体制がこのままだとすると、ますますこれから不登校児は増えるでしょうが、その子たちをただ学校に戻すだけが正しい道に導いた、みたいな価値観で進んでしまうと、危険だと思います。

学校の体制が旧態依然として変わらないのだとすれば、他の道も”逃げ道”ではなく、同列に選べるようにしてほしいのです。

個々が否定されない体制づくり

学校に上がる年になる子を持った親が、公立の学校に行かせるか、家で勉強させるか(興味が出てきたことをクラブなどに入ってやらせるなど)考える、という国もあると聞きました。

日本ではまだ、学校に”行けなかった”子をどうするか、みたいな問題になっていますね。

私の子供も不登校を経験しましたが、高校を受験するとき、不登校をどう”克服する”かを見られたという印象があります。

不登校児は人生レースを脱落した者ではありません

一時期フリースクールへ通いましたが、そこに集まった子たちは感性が良く、繊細で優しく、いじめも一切ありませんでした。

一緒にいる先生方は(子供たちは先生とは呼びませんが)彼らを見守り、自主的にやりたいことをすくい上げ、手助けをしてくださり、導いてくれました。

私も、娘が学校に行けなくなったときは戸惑いましたが、誰よりも当人が一番苦しんでいたのがよくわかってつらかったです。

このことがあったから学校に行くだけがすべてではない、と思えたのかもしれません。

当時娘は不登校を知られたくない思いがあり、私も公言しませんでしたが、私は親として、「あなたは何も悪いことはしていない、自分の道を探しているところなんだから」と堂々と振る舞いました。

ですから現在彼女も不登校の事は公にして構わない、と言ってくれています。

元々私も学生時代、「本気で自分のやりたいこと、人生を考えたらみんな一斉に同じ学校に行くわけがない」と考えていたので、まあ私の場合は高校を卒業してから自由に生きたわけですが、娘はそれよりずっと早く実行できた、ということだと思います。

今後近い将来に是非、学校以外の選択肢も同等に並んで、将来不利益になることなく、人間性を否定されることなく生きていける日本になってほしいと願っています。

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ABOUT US
千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。