人によって伝わる言葉は違う
日本舞踊のお稽古は基本個人稽古。
1対1の真剣勝負…。
昔はかなり気負って、考えていました。
身体で表現して伝え、言葉にして伝えますが、一人ひとりイメージするものが違くて、それはそれで個性なのでいいのですが、正しく伝えるために言う言葉は人によって違います。
それぞれ得意なことも違う
また、全て教えれば良いと言うものでもなく、何を認め、何を直したらベストか、これも人によって違い、その見極めに大変集中力がいります。
よくない動きを全て教えれば、身動きが取れなくなります。
身体を自分の思い通りに動かすことは一朝一夕ではできるようになりません。
最終的にこの人はここまでできるようになった、という形に持っていき、本人も達成感があり、周りから見ても”あゝ、あの人上達した!面白かったね”と言ってもらえるように仕上げることが大切だと思っています。
あまりガチガチに固めてしまうと、本人もよくわからずこうしろといわれたからこうしている、みたいな状態で、体裁は整ってもメロディーにも乗っていない、何を表現しているかわからない、当然本人は楽しんでいないという踊りになってしまいます。
こうなるとそれを見せられる観客も面白いわけがなく、ただお世辞に”お上手になりましたね”と言うしかない…。
下手なりの表現
何をどう表現しようとしているのか本人が理解して楽しく踊ればその時点(その時の実力)での最高のパフォーマンスになるのです。
下手だから表現できない、踊れない、なんてことはないんです。
こんな人の踊りを見られた観客は本当に幸せで楽しめることになります。
“先生の言う通り完璧に動いています”と仏頂面で踊られても見ている方は楽しくありません。
それこそ”お上手ですね”で終わりです。
踊りは見せるものです。
いつでも”あゝ楽しかった””次はこんなの踊ってみたい”とお稽古していけば、知らないうちに上達します。
どうせ一足飛びに名人になんてなれないのだから、楽しんだ方がお得ですよね☆
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