赤ちゃんとのつきあい方〜日舞ダンサーの子育て〜

生まれたての赤ちゃんは、何もわからないと思われがちですが、私はそうは思いません。
無力な存在ではあると思いますが、感覚は全身にあり、ただ伝えるツールがあまり無い、というだけだと思っています。
不快なこと全てを泣くことだけで最初は伝えているわけですが、感覚が鋭いこともあって、言葉は理解できなくても気持ちが伝わる気がしています。
以前テレビで母親と赤ちゃんが初めて会話するシーンを追っていたのを見ました。
寝かされている赤ちゃんが「ア‥」と短く声を発し、母親が思わず同じ音程で「んん？」と答える。
初めての親子の対話です。
ちょっと感動しました。
母親も恐らく意味ある言葉として発したわけではないと思いますが、我が子の声に自然に反応しています。
愛溢れる声で。
赤ちゃんは応えてくれたことを実感したのではないでしょうか。
私も子供が生まれてからずっと、それこそ黙っている時でさえ喋りかけ続け、ある時は歌ったりもしていました。
お風呂から上がって、体を拭いてあげながら、
「ふーぅ、気持ちよかったね〜」と
子供の顔を見つつ代弁すると、子供も「ふ〜」と真似して言ったりしていました。
本屋さんで絵本を手に取り、「どんなお話かな？」とストーリーを軽く読んであげて「面白いねー」と閉じて帰ろうとすると、嫌そうに泣き出してしまい、結局その絵本を買って帰ったことがあります。
ベビーカーにやっと座れるようになったばかりで、まだおしゃべりまではできない時期でした。
ちょっと驚きましたが、あぁ話せなくても言っていることは理解できるんだと気づきました。
よく、喋れるようになったらとか、絵が描けるようになったら、とか言いますが大人の価値観で判断してはいけない、もっと単純に始められることなんですね。
ちゃんと言葉を言うことが喋れているということではなく。
それが何かわかるように描けなければ絵ではないというわけではなく。
親はアンテナを張って、子供が表現することを感じとれればいい、と私は思います。
昔お弟子さんにお子さんが生まれた時お祝いにお邪魔したことがありますが、その人は割におとなしい人で自分が幼少の頃、口が遅かったらしく、子供も静かなので心配、と言っていました。
そこで私がその赤ちゃんに話しかけてみると私の目を見て永遠に喃語で話しかけてきます。
お勉強とか塾とかでなくもっと身近な、愛情を力むことなく表現し続けていけたら、きっと良い関係ができて感性豊かな子になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。