私は学生時代、読書はあまりしてきませんでした。
高校を卒業してからだったでしょうか。時代劇の舞台に出演してからだったでしょうか。
具体的にイメージできたわけではないのですが、”そういう舞台を作りたい”と漠然と思い、でも、”その”時代をよく知らない。
江戸時代を知るのに”勉強”するのが嫌だった私は、「そうだ、時代小説を読めばその雰囲気がわかるのでは?」と思い、確信も無いまま、時代小説を読み始めました。
なるべく読みやすい本を…
読書が苦手だったので、本選びは難しかったですが、運よく柴田錬三郎に出会いました。
柴田錬三郎は私のイメージですが、劇画調の面白さ。サイコーです。読書、時代小説の初心者にはうってつけだと思います。
主人公もカッコよくて魅力的。本当に漫画の様に楽しんで読むことができました。
読書に慣れたところで池波正太郎。
読んだ方はもちろんご存じでしょうが、ストーリーはもちろん情景描写の素晴らしさったら。その時代に生きた人々の息遣いまで伝わってきます。
のちにテレビで原作物の時代劇を見ましたが、本で見ていた世界と同じ映像が再現できていて、本当に驚きでした。
時代小説を読みだして数冊の時は、まだその当時の様子がおぼろげで、本当にわかるようになるだろうかと心配でしたが、池波正太郎を読破するころにはその時代の生活や雰囲気などかなり具体的に想像できるようになっていました。
それからは人間の情など時代小説でなくても読めるテーマでも読むようになりました。
私にはちょっと難しかった司馬遼太郎。しかも分厚い文庫本の「竜馬がゆく」
この本は文章がちょっと私には難解でしたが、珍しく挫折せずに読んだ本です。
最後にはのめりこんでページをめくる手ももどかしく(初体験!)、竜馬が死ぬシーンは大ショックで、何と号泣(これも初体験!)してしまいました。
司馬遼太郎作品はその後挫折して読んでいませんが、落ち着いたらまた挑戦しようと思っています。
その後は宮部みゆき、栗本薫、知野みさき、畠中恵、今村翔吾等々…
踊りに限らず、着物を着て何かを表現するなら、着物を生活着として暮らした時代を”体験”することは、表現するうえでプラス、と言うかすごい武器になると思います。
若い頃のお恥ずかしい話ですが、アクションを始めて数年は殺陣の時袴などを着用していませんでした。
それでもそれなりにできるようになった頃、一式そろえ、袴を身に着けることに。
そうすると無意識に袴でカッコよく見えるように動こうとしていて、自然に様になっていきました。
誰に教わることなく、”時代劇”の雰囲気を出せるようになったのです。
表現者は、技術はもちろん当然持っているべきものですが、ちゃんとイメージできていることはとても大切なことではないでしょうか。
「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督は、役者にその役の衣装を着せて撮影以外でもずっと生活させた、といいます。
演じる技術は十分でもそれだけではないと教えてくれます。
あ~、表現者は大変ですね!(ここは表現者はつらいよ!と言うべき?)
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