舞踊家が授業で伝えること

私は高校で日本舞踊の授業を受け持っています。
当然ですが、日本舞踊を教えています。
ほとんどの生徒が初めて日本舞踊に接するという状況を嘆きつつ、その歴史についても触れたり、和楽器など他の和文化の話などもするようにしています。
そして、日本舞踊の表現方法が、他の表現にも通じるのだ、ということもよく話しています。
特別なことをしているわけではない。
相手に伝えるための技術なのです。
それと同時に、人として必要な表現についてもついつい話してしまいます。
人との付き合い方、特に礼儀については、作法というよりも、もっと基本的なことをかなりうるさく言ってしまいます。
うん、多分うるさいと思われているだろうなとは思うんですが笑、お勉強などより(!)ずっと大切だと思うのです。
日本舞踊は、他の身体表現と同じくその身体の動きで相手に気持ち、性格さえも伝えることができます。
例えば猫背だと”暗そう”とか、片足に体重をかけて立っていると”疲れてる？”とか”だらしない”とか。
内面はそうではなかったとしても身体の動かし方、立ち方で相手に誤解されることもあるのです。
表情もですが。
本人はそんなつもりはなくても、”いつもつまらなそうだよね”なんて言われる人は要注意です。
ですから、表現者を目指す人だけでなく、全ての人が自分の人となりを素直に表現できるようになってほしい、と話します。
そして、礼儀について笑
ちゃんと報告できること。
素直に謝れること。
ちゃんと感謝できること。それを表現すること。
自分の思いを伝えられること。
相手の気持ちを思いやれること。