舞踊家の授業

私は高校で授業を受け持っています。
日本舞踊を教える授業です。
昔は専門学校ならいざ知らず、小中高とも教師が体得していなくてもダンスを教えなければならなかったり、野球を知らなくても野球部の顧問をさせられたり(現在も完全に解決されてはいませんが)、教師という職業は大変だなと思っていました。
ですから、過渡期とはいえ音楽の授業に和楽器をという方針のため、教師が急遽三味線を習いに行ったなどと聞くと、何故専門家に任せられないのか、と不思議に思いました。
習い立ての三味線を生徒にどう教えられるのか、それが授業として成り立つのか、生徒にとって良い体験になるのか、少し考えれば分かりそうなものだ、と思ってしまいます。

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そういう意味でも日本舞踊を30年ほど教えてきた者としては、最低限でもきちんと教えられるという環境をいただき、私もそして生徒にとっても良いことであると感謝しています。
そうは言っても、私に限らず、和物の師匠は個人レッスンが主な稽古の仕方で、大勢を一度に教えることに慣れていません。
カルチャーセンターが台頭してきてグループレッスンが増えましたが、かなり長い間、お稽古の仕方は個人レッスンと同じ方法でされていました。
これではグループレッスンで上達を望むのはなかなか難しいし、時間がかかり過ぎます。
ある時TVで、ダンス部の練習風景を紹介されていたのを見ました。
全国優勝を何度もしている高校ですが、ほぼ全員が高校に入って初めてダンスに触れるとか。
ということは、引退する2年の夏までに優勝レベルまで成長する、ということです。
日本舞踊では考えられないペースです。
その練習方法も紹介されていて、何とか日本舞踊でも取り入れられないかとかなり考えました。
そしてバーレッスンのような、基礎練習を取り入れる方法を考え、20年ほど前から試行錯誤を繰り返し、現在も細かい修正はしつつ何とか形になってきました。
日本舞踊は基礎ができても役柄(男踊り、女踊りなど)によっても表現方法が違うため、難しい面もありますが、かなり改善できたと思います。
そんな時高校での授業のオファーをいただき、ありがたい限りです。
授業で初めて日本舞踊に触れる彼等には”体験”以上の勉強になっていると信じています。
現在は1年生のみの授業ですが、部活動にも入って3年間日本舞踊を経験してくれた生徒たちはそれなりのレベルまで引き上げあげられたと自負しています。
そしてもうひとつ、ずっと感じていることですが、高校生になるまで日本の伝統的な芸能を全く知らない、という今の日本の状況を是非改善してほしい、と切に願っています。

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千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。