ブレずに美しく動くには〜体幹を使うということ〜

日本舞踊は手先とか、お扇子がきれいに動いているところが印象的だと思います。
姿勢もそうですね。
ゆったり動いている印象が強いかも知れませんが、早く動く踊りも多いです。
特に千翠流舞は笑

最近は体幹なんて言葉も浸透してきて、身体作り、身体表現をする人などはだいぶ無理せず身体が動かせるようになったのではと思っているのですが、これは指導する側の問題なのか、具体的に体幹をどう意識して、どう身体を動かせば良いのか理解できていない人も多い気がしています。

身体を動かす時、立っていれば必ず下半身の強さは必要です。
手に何か持つのであれば、例えばお扇子でなくてももっと重いものを持って表現する場合、腕も鍛えましょう、になるのは仕方ない。

体幹と言えば腰周りの筋肉ばかり注目されますが、身体は全て繋がっています。
下半身だけ、腕だけ鍛えれば良いのではありません。

かく言う私も若い頃、日本舞踊は下半身が!と腰を落としてかなり意識して動きました。
その結果足腰に負担がかかり過ぎて痛めることに。

現在私の周囲でも若い人が身体を痛めたり怪我したりするのをよく見かけますが、身体が繋がっていない、というのが動きからよく見えます。

例えると、新体操のリボンのように身体が使えれば理想的かなと思っています。
リボンがついている元のスティックが体幹です。
勿論それを握って振る腕も身体(体幹)から動かすのですが、そこが1番大元で力がいるところ。
そこから力が伝わってリボンの先まで躍動します。
リボンの先の動きばかりに目がいって、リボンがきれいに動くためにリボンを鍛えようとする。
しかしリボンを強くしようとすると返って重くなり、動きが滞ってしまいます。
最低限リボンがきれいに伝わるための強度というかしなやかさ、みたいなものは維持すべきですが、鍛えるのはそこではない。
筋力トレーニングは補助的にするものなのです。
そして、体幹と言われるものも部分ではない。
腰、胸、腕、手から、スティックへ、リボンへ。
全てが繋がっています。
鍛えるにしても全てが繋がって動けるように訓練する必要があるということです。
具体的な方法はここでは触れませんが、
これがイメージできないと、動きはスムーズでなくなるし、身体の負担も大きく故障の原因にもなります。
理想は身体の隅々まで意識できること、そしてその身体の先、空間まで意識できること。
指導する者も手先足先にとらわれ過ぎず、まだ教えるには早過ぎると思わず、初心者のうちから繰り返し伝えることが大切だと感じています。

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千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。