よく役者さんなどが、他の人を演じる面白さということを言いますね。
他人の人生を味わえるような。
踊りで言うと、曲の世界を味わうということではと思っています。
その曲が編曲も含めてその世界が存分に表現されていることが大切ではありますが、それを聞いてその世界に自分を委ねること。
そしてその精神状態を外に向かって表現することが踊り手の役割なのかなと思うのです。
振付はそれを具体的な形にする役割ですが、今回は踊り手について。
日本舞踊の場合、お芝居の要素が多く、何を見ているか
“視線”
はかなり重要です。
今部活で教えているのは和楽器バンドの「砂漠の子守唄」(是非聴いてみてください！)
振付は、ストーリーよりも気持ちが全面に出ていますが、状況の表現もあります。
目の前に広がる果てしない砂漠の光景、夜空を見上げたら、と歌詞と共に振りが続くわけですが、空を見上げて、と言うと”上の方を見る”動作をするのにそこからその感動は見えてこない。
広大な砂漠に1人佇み、何の遮るもののない夜空はどれだけ広いのか。
夜空には星が一個しか無いの？と聞きたくなる視線笑
この辺りも、山奥にでも入って夜空を独り占めするような体験が無いことも大きいのか…。
でも、想像するのは自由なんですね。
実際以上の素晴らしい夜空を想像して”うわー！すご〜い”と感動してもいいわけです笑
好きな人に出会うシーンでは、なにも自分の夫や彼氏を想像せず、憧れの”あの人”を思い浮かべても、誰も文句は言いません笑
その曲の世界に入り込めたなら、誰もその邪魔はできない。
指導する方としては、そのイメージの方向さえ間違いなければ、何の異論もありません笑
あとは伝えるため(表現するため)の技術について文句を言うだけです。
曲の中で自由に遊べる、楽しめる体験を是非してほしいですね。
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