体験が足りない子供たち

買い物の帰り、向こうから下校する1年生らしい女の子が虫籠を持ち、中の虫を覗きながら歩いてきました。
たまに前方を見ますが、再び食い入るように虫籠を覗くとそのまま車道の方に足が向くので、私はさりげなく彼女の行手を遮り、
「危ないよ、前見て歩いてね」
と声をかけました。
恐らく今時の子は知らない人には口を聞かないということだと思うのですが、声掛けに反応することなく黙って前を向いて方向を変えて行ってしまいました笑
こんなに夢中になることがあるのはいいな、と内心微笑ましく思いましたが、この頃は実際に本物を見たり触れたりすること、体験が少なくなっているのかな、ということに思い至りました。
スマホなどで簡単に見たり知ったりできる現在、自分の体が小さく感じるような山(或いは高い建物)や見渡す限り広がる野原などに”対峙する”ことが少ないのでは、と感じます。
大人は高層ビルを見上げた経験があるので、スマホの小さな画面で見ても高いビルだと想像できますが、
「これが虫」「これが高いビル」とスマホで見せても、虫とビルが同じような大きさに見えていて、それで教えたつもり、理解したつもりになっていないでしょうか。

今、お稽古場で浴衣の着方を教えていて、大人でもそろそろ真似ができない人が出てきています。
着方がわからなくても、ガウンのように羽織って体に巻きつけて紐を回して縛る、くらいのイメージは持てないのでしょうか。
信じられないことですが、
“羽織るのですか?”
というところから教えなければならない人もいます。
紐や帯をやり方がわからなくても何とか体に巻きつけようと思えば、紐や帯の中央を両手で持ち、お腹から当てて背後に回し、1周させて縛る、とわかりそうなもので、それに対して
“もう少しこうやると上手くできる”とか、
“こうすると綺麗に見える”
とアドバイスできるのですが、
“紐を持って”と言うと
私も中央を両手で持って見せているにも関わらず、端を片手で持ち、
“持っているが、どうすればいい?”
と不安げな顔をしていたりします。

わからないけどとにかくやってみる、失敗したがこうすればどうだろうか、とか何とか体を動かして考えるみたいな体験が無いのでは、と思ってしまいます。
文章で1から全て説明してくれないと、わからない。
これでは何かトラブルがあったり、身の危険が迫っても何もできないことになりかねません。
スマホで膨大な知識を得ても、自分で考えて行動することができないのでは意味がありません。
実際に見たり動いてみれば、教科書通りにことは進まないし、意外な感動もあったりします。
特別なことではなくても、実際に見て、動いて知る体験をしてほしい、と思います。
生まれた時からスマホがある世代は、よっぽど意識しないと体験もできない、ということでしょうか。

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千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。