速く動くためにゆっくり動く。

ダンスでも器械体操でも凄い速さで動くのを目の当たりにすると本当に凄くて、人間の可能性を感じてしまいます。
ただこれはその人の特性もあり、速筋と遅筋の割合も関係するようです。
短距離走が苦手でもマラソンは得意、という人もいますね。
授業で教えていても、たまに「速い動きは得意なんだけど、ゆっくりはちょっと…」なんて言う人がいます。
でも、これは少しおかしなこと、と感じます。
「ダンスは得意だけど日舞は”動きが遅いから”できない」
私から言わせると、ダンスをやる人は全身を手指のごとく自由に動かし、表現できる人。
自分の意思で身体全部をコントロールできるとすれば、ある程度他のジャンルも最低限見た形を真似できるはずです。
いかに速く、複雑な動きをするかみたいなところだけに命をかけてしまうと(笑)ちょっと危険です。
身体は暗記と違ってすぐ覚えて(体得して)動くということはできません。
例えば肘を曲げて素早く伸ばす、という動きの場合、動き始め(初期動作)と伸ばして腕の動きが止まるところは筋肉を(脳が)意識しやすいですが、その途中すなわち伸ばしていく動作の最中の筋肉の動きを意識できているかというと微妙なところです。
体得していない人がただ見た目通りスピードだけ真似てしまうと、早過ぎるために間の動作を体得できない、という事態が起こり得るのです。
動いているすべての動作を身体(脳)が認識できていれば、完全に身体をコントロールすることに繋がります。
途中の動作は省略ではないのです。
これを省略せずに身体に覚えさせるには、ゆっくり動く練習をする。
そうすると筋肉が動いていく様子を覚える(体得する)ことができます。
正しい筋肉の動きを認識できるようになったら、徐々にスピードを上げていきます。
完全に体得できれば動きが速くなっても、途中の身体(筋肉)の動きを認識できてパフォーマンスが見違えるほど良くなります。
ボディビルトレーニングや太極拳等等、ゆっくり動いて体得していくものは限りなくありますね。
身体表現は何かしらちゃんと体得できていれば、初めての違う表現体系でもある程度体現でき、教える方としても”この人はできる人だ”と認識できます。
そこまでのレベルはなかなか簡単なことではないので、高校生くらいではお目にかかるのは難しいですが。
かくいう私もアクションクラブで鍛えていたこともあり、緩やかに踊っているように見える日本舞踊は簡単だとたかを括っていました。
既にアクションは6年以上在籍していましたので、腰を入れたり、振りを覚えたりは難なくこなせましたが、身体全体の”見えない部分の複雑な動きが全くわからず、絶えず腰を落として動き続けるため、腰や膝を痛めてしまうことに。
身体の全てを繋げて無理なく動くということは本当に難しいことでした。
力があるから、速く動けるから凄いというわけではないのです。
若いうちはなかなか根気のいる作業で辛いところですが、年齢があがればもっと体得するのに時間ぎかかります。
是非真摯に取り組んで、自由な身体を手に入れてほしいと思います。

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千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。