身体表現を学ぶということ

学ぶ姿勢

日本舞踊の世界に入って、いつの間にか40年を越えました。

身体訓練という意味では、アクションクラブ時代からですから、50年弱?  数えるとむやみに時を過ごしてきたのではないかと、正直ぞっとします。

ここ数年は高校生を教える機会を得て、改めて学ぶことも多く、ありがたいことだと思っています。

高校生くらいだと、体も動くし頭も柔軟で、吸収が早く教えていて気持ちがいいです。

ただ、芸能系の学校ということもあり、ダンスや、まれに日舞などのスキルを持った生徒もいて、期待が持てる、と思いきや、がっかりすることも多く、身体表現を学ぶこと(教えること)の難しさを痛感させられます。

座学などでは、いやいやでも暗記すればどうにかなることも、身体を使う場合そうはいかないのです。

「これは違う」とか、「ダンスの技を応用すればできる」などと気持ちの上で受け入れていないと体は教えた通りには動かないのです。取り繕うことはできません。

心と体は密接につながっているのです。

すべてを受け入れる

新しく身体表現を学ぶためには、すべてを受け入れる気持ちが無ければ学ぶことはできません。

自分の持っているスキルを全く忘れて、体をコントロールする特技のみを駆使して、完コピするつもりですべてを体の中に通すのです。

暗記するのと違い、体が動きを覚えるのには時間がかかります。

今までやってきたことを忘れるのでは、と不安になるかもしれませんが、体が覚えたことは暗記と違って忘れません。

微塵も疑わず、すべてを体に覚えさせる=完コピできれば、今まで正解が一つだった動きに幅が広がり、より身体の自由度が増します。

そしてその動きが自分に合っているかいないか、好きか嫌いかもわかります。

ただ、もしもその身体表現から離れることになっても、その技術は自分の身体に入ったわけで、身体が覚えたことは精神にも影響を与え、それが新しい表現の源になっていきます。

常に身も心も柔軟に

高校生くらいになると、それなりに時間をかけて積み上げたものもあり、プライドを持っていたりします。そのプライドが学びの邪魔をするのです。

でも、本当に自分の身体と真摯に向き合っている素晴らしい表現者の人たちを見れば、おごり高ぶった方はだれ一人、と言っていいほどおられません。

新しい学びの機会があれば、新人の様に目を輝かせるのです。

表現の道はどんなに登っても学ぶことは尽きないのです。

これは、偉そうに言う私も常に心しなければ、と思っています。

高校生を教えていて改めて気づかされ、自戒も込めて書き留めました。

 

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千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。