この頃は嬉しいことに日本舞踊をやってみたいという人が体験にいらっしゃることが増えてきました。
体験では、お稽古場のこと、発表会のことなどのお話と共にお稽古を体験していただきます。
浴衣を着て挨拶をして、舞台に上がります。
実際に身体を動かすことで、外から見て簡単そうに見えた踊りがどんなものであるか、実感できます。
お稽古の雰囲気もわかって、先生との相性みたいなものもわかります。
相性はどちらが悪いとかではないので、お互いに違うなと感じればやはり違う先生を探した方が良いと思います。
それとは別に最近思うことは、すぐにできないことに失望？して、”無理そうです”と断念する人がちらほら増えてきた、ということです。
今、スマホが普通に使われるようになって、若い人など特に感じるのは、圧倒的に体験が足りないということ。
スマホですぐに調べたり、小さな画面で確認して、”見た”つもりになったりやったつもりになっている気が、凄くするのです。
話題を振っても、”あ、知ってます。〇〇ですよね”
の一文以上の情報も知識も思いもなく、薄っぺらな会話で終わってしまう。
テストの解答であれば、それで済むかも知れませんが、(それでも長文読解などは不得手な傾向とか)
それで理解しているつもりで来てしまうと、実際やってみてできないと必要以上にショックを受けて、諦めてしまうのです。
こんな傾向が出てきているのでは、と最近感じていたところに大人が体験に来ても同じような人が出てきたことに危機を感じずにはいられません。
英単語の暗記のように、覚えたら身体がすぐ思い通りに動くということはありません。
何度も繰り返し動いて、何故そう動くのか考え、何を意味するのか追求したり、どう動けば伝わるのか何を見ているのか想像したりするのが稽古。
何度も同じところを直されることは、恥ずかしいことではありません。
実際やってみなければ、動いてみなければ理解できないことが沢山あるのです。
スマホの画面で見るのと、実際足を運んで直接見る、動くことはまるで違うのだということを知りましょう。
その過程まで全て楽しめないと、何も本質を知らずにわかった気で過ごすことになります。
怖がらず、面倒臭がらず挑戦してほしい、と願っています。
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