舞台上でのリアル〜小道具を使う〜

舞台上での表現の仕方は映像などとちょっと違いますね。
舞台では必ずしもリアルに再現しなければならない訳ではありません。
それでも観ていて通じるし、そのシンプルな表現だからこそ無限に想像させるのが、舞台の面白さであり、醍醐味であると思います。

その昔先代猿之助のスーパー歌舞伎で、京劇の人たちと共演した演目がありました。
そこで影響を受けたものは色々あると思いますが、明らかに古典歌舞伎と違う物を取り入れたのが、殺陣です。

歌舞伎の立ち回り(殺陣)と言えば、下座音楽の三味線の音に合わせるように、きれいに刀を合わせて斬り合う様子をゆったりみせるもの。

千鳥など一直線に切り抜けるような場面もありますが、大勢対ひとりなら、様式美を堪能する場面かなと。

早い場面もありますが、京劇のそれとは全く違うリズムなのです。

京劇との共演後、スーパー歌舞伎の殺陣は劇的に速くなりました。
ただ、やたら速いのではなく、見得を切る場面もあり、歌舞伎の良いところも併せたスーパー歌舞伎独特の殺陣になりました。

こんな話をするのは、現在イベント等で殺陣などを披露する人たちが多く、元々映像で成長した殺陣であるので、舞台との区別というか、見せ方が違うことを理解してほしいと思うことが多いからです。

殺陣などでは、舞台で使う刀、或いはそれに準じてお扇子などで表現できますが、舞踊として使う我々でも、勿論歌舞伎でも、小道具をリアルに当てたり叩き落としたり、何なら投げ捨てたりは決してしません。
投げる演出はありますが、必ず受け取る人がいます。

間合いやスピードで、リアルに動いたとしても小道具としての刀、お扇子が傷つくような使い方はしないのです。
日本独特の文化的価値観なのでしょうか。
以前授業中に生徒がお扇子を床について立ち上がったことがあり、注意したことがあります。
暑いからと舞踊扇子であおぐのを先輩が叱った、ということを聞いたこともあります。
舞台で使う道具は日常で使うものと厳然と区別していますね。
現代劇ではどのように扱っているのかは知りませんが。

刀の刃を合わせる、打ち払うなど、実際にはお互いに合わせた形で、打ち払う所作をして、相手はそれに合わせて動く。
鍔迫り合いなども本人達が演技するだけで、刀は軽く触れているくらいのものです。

お扇子を使うことに至っては、相手と合わせる形だけで、触れたりましてや叩き落とすなどはしません。
落とされた所作をして、裏を向いて帯に納めたりはしますが。

「獅子の風」 六條アズサ:YouTubeより

それで観客が戦っているように見えなかったり、刀(お扇子)を落とされたように見えなかったとしたら、演者の力量不足ですね。

歌舞伎で侍の死に様自体が素晴らしい型として完成されていることを思うと、その域まで表現できるようになりたいと思わずにはいられません。

日本舞踊に携わる者として、小道具が傷つくような扱いをしないでほしいと切に願います。

小道具についての関連ブログ⏬

 ご相談お問合せ、ご依頼は⏬
🌸千翠流舞HP: https://sensui-ryubu.com

踊りを楽しんでみたい方、千翠流舞メンバーになってみたい方!まずは無料体験で❣️
🌸千翠流日本舞踊教室HP⏬
https://sensuibuyou.mystrikingly.com

🌸千翠珠煌 X (旧Twitter)⏬
https://twitter.com/buyou_azaz?lang=ja

🌸千翠珠煌facebook⏬
https://www.facebook.com/sensuiryubu

🌸千翠珠煌Instagram⏬
https://www.instagram.com/sensui_ryubu/

🌸YouTube千翠流舞チャンネル⏬
https://youtube.com/@sensuiryubu

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
千翠珠煌
13歳よりアクションクラブに8年在籍。 19歳より日舞(古典・新舞踊)を始め、師範名取を経て1998年独立。 創作舞踊公演、舞踊指導等。 2017年千翠流舞を発足、国内外問わず舞踊ショー・イベントなどの活動をしている。