出会い、ご縁、、〜師匠の器〜

最初に所属した流派の頃から数えると、師籍は30年を越えます。
ただ、どう考えても師匠になりたての頃の私はとても師匠の器とは言えない人間であった、と思うのです。
13歳からアクションクラブで活動して後に日本舞踊に移ったわけですが、年齢的にも1番下でしたので、ずっと下っ端でいる感覚があり、常に”自分はダメだ、もっと頑張らなければ”と遙か上を向いてひたすら頑張っていました。
師範という肩書きをいただいても、自信満々と言うわけではなく(勿論今でも💦)、でも師匠らしくしなければ、みたいな無理矢理感もあり…。
今思えばこんな師匠では誰もついてきてはくれませんね笑
今でも自信満々というわけではないのですが、さまざまなものを積み上げてきた、自分なりに形になってきたという実感はできるようになった気がします。
でもそんな技術云々より、いや恐らく、並行して大勢の人たちと接してきてわかってきたこと、
周りの人たちのために動くことが苦ではなくなってきたこと。
多少は精神的に成長したことが大きいのかな、と一応自分を少し褒めようと思うのです笑
若い頃はお弟子さんひとりひとりの要望や悩みなど受け留めきれなかったのですが、この頃は自分でも不思議なほど落ち着いてひとりひとりに向き合えている気がするのです(気がするだけ？笑)
お稽古のやり方もその人に応じたより良い方法を考えられるようになり、対応を苦に思うことはなくなりました。
昔は相手に自分の考えなどを伝えることが苦手だったからか、誤解をされたり、思いがけず急に辞められてショックを受けたりしたこともありました。
自分のことで精一杯であったことも事実です。
今はそんなこともなく、勿論都合により辞められることもありますが、舞台の時は手伝ってくださったり、観に来てくださったり。
本当にありがたいことだと思っています。
心を込めて渡したものは受け取ってもらえる、理解してもらえる。
受け取ってもらえなかった人もいますが、それは気に病む必要はないと思えます。
合わない、理解し合えない人とは縁がなかったと思うしかありません。
去る者は追わず、です。
これからもひとつずつ、1人ずつ謙虚に丁寧に向き合って共に精進していけたら、と願っています。